発行物PUBLICATIONS

1.査読フロー

(1)投稿論文は、まず編集委員長が当該雑誌のスコープ(「医療経済・医療政策に関する分野」)・水準に合致していることを確認し、その適否を判断するとともに、担当編集委員を選任します。

(2)担当編集委員は、編集委員会外から査読者1名を選定し、査読を依頼します。その際、投稿者の情報は査読者には伏せて依頼します。

(3)査読者は、当該論文に直接関与していないことを確認し、関与がある場合は事務局に連絡してください。

(4)査読の実施。査読は、投稿者が意図した論文種別を確認のうえ、査読者および担当編集委員にて行います。

(5)査読者の判定は、以下の5通りにて記載し、編集事務局を通じて担当編集委員へ通知してください

a) そのまま掲載可能
b) 条件付き掲載可能
c) 要修正・再度判定
b) 条件付き掲載可能
d) 掲載不可 ただし修正後再投稿可
e) 掲載不可

 

(6)判定は査読者の意見を最大限尊重しつつ、編集委員会が総合的に検討しておこないます。

(7)b)条件付き掲載可能、c)要修正・再度判定の場合は、事務局より投稿者に通知し、論文の修正を求めます。

(8)投稿者は、論文の修正を求められた場合、担当編集委員からの「査読結果」、「査読コメント」を基に、指摘に対して全て回答し、修正すべき点を修正し、修正された論文と伴に「査読コメント」に記載された各コメントに対する回答文書を添えて、指定された期日までに再投稿します。

(9)査読は初回査読・再査読・再々査読の原則3回を限度とし、再々査読の「査読結果」が最終的な査読者の判定となり、編集委員会における最終判定が行われます。(ただし、事務的な修正は上記の回数に含めません。)

(10)編集委員会での掲載可否が最終判断となり、結果が投稿者に通知されます。

 

Fig. 査読フロー

 

 

2.論文の審査基準

   論文の審査基準は、以下の通り。

(1)主題の明確性

(2)着想としての斬新性
新規性のある視点、新しい手法やデータ等を使った分析を行っているか

(3)結論を出す上での妥当性

(4)関連する文献の十分な吟味: 論文の引用が十分か、または適当か

(5)記述の明瞭性・簡潔性・正確性
表現上の問題や誤字脱字が多数見られる場合は、1ヶ所のみ例示すればよい。

(6)不必要または不備な図表の有無

(7)内容の書き直しは必要か

(8)英文に誤解をまねく個所はないか

 

3.査読結果の記載方法・留意点

(1)査読者は、当該論文に直接関与していないことを確認し、関与がある場合は事務局に連絡してください。

(2)査読者は、論文掲載の可否、編集委員へのコメント、査読コメントについて記載していただきます。

(3)査読者は投稿者が意図した論文種別を確認のうえ、論文掲載の可否について「そのまま掲載可能」、「条件付き掲載可能」、「要修正・再度判定」、「掲載不可 ただし修正後再投稿可」、「掲載不可」の中から選択して判定してください。

 

i. 「掲載不可」と判断された論文については、その事由について詳細なコメントを記してください。
ii. 「条件付き掲載可能」、「要修正・再度判定」、「掲載不可 ただし修正後再投稿可」と判断された論文は、できるだけ具体的に疑問点や問題点を指摘し、できれば改善方法についても併せて記してください。
iii. 研究結果から導かれる示唆や結論に論理的飛躍がないかどうかは、査読における重要な判定基準です。ただし、前提となるスタンス・意見や得られた結論が査読者自身のスタンスや意見と一致するかどうかは、判定の基準に含めないでください。

 

(4)査読コメントについては、論文に対する全体的な印象と各部分のコメントについては以下のように記載してください。

 

i.   全体的な印象とは、着想としての斬新性、方法論としての緻密性、結論を出す上での妥当性、関連する文献の十分な吟味等の観点からの評価です。
ii.  各部分についてのコメントには、できるだけ具体的に疑問点や問題点を指摘し、できれば改善方法についても併せて述べてください。
iii. 表現上の問題や誤字脱字が多数見られた場合には、1カ所のみ例示すればよいとします。

 

(5)「研究資料」として査読をする場合には、査読者は、事実に相違していないか、または、誤解からの間違いがないかなどのチェックにとどめた審査とし、可能な限り掲載する方向で検討してください。

(6)査読コメントは、担当編集委員および査読者の氏名を伏せて、原則としてそのまま著者に通知します。

(7)査読を担当して頂いた論文等が「条件付き掲載可能」・「要修正・再度判定」として再投稿された場合には、原則として再度の査読をお願いします。再査読の時には、ご自身が前回指摘した内容についてのみ検討するに留め、著者に新たな条件を課すことを避けてください。

(8)最終的な掲載の可否の判定は、編集委員会で決定し、その旨を査読者にお知らせします。

 

4.論文種別

 ● 「研究論文」
研究論文は、理論的または実証的な研究成果を内容とし、独創的な内容をもつものとします。形式は特に指定しませんが、実証的な研究の場合には目的、方法、結論、考察が明確に記載されているものとします。
 ● 「研究ノート」
研究ノートは、研究論文と同様の形式を持ち、独創的な研究ではあるが研究論文としての基準に達していないものとします。具体的には、研究方法やデータ等に課題がある場合を指します。例えば、医療機関における実証研究の場合には1施設での研究で普遍性を欠く場合には原則として研究ノートとします。
 ● 「研究資料」
研究資料は特色ある資料、調査、実験などの報告や研究手法の改良などに関する報告等で、将来的な研究に役立つような情報を提供するものとします。形式は、研究論文と同じでもよいし、異なっていても構いません。
 ● 「その他」
その他編集委員会が認めるものとは、「依頼論文」「編集者へのレター」「医療経済学会または医療経済研究機構の活動の情報提供(学会の案内等)」などとします。

 

医療経済学会 編集委員会
2025年9月